かつて多くの文化人が暮らし、“田端文士村”と呼ばれた街・田端。
明治中期以降、上野の美術学校への便が良かったことから徐々に芸術に志をもつ若者が住むようになったそうです。
最寄駅であるJR「田端」駅は、山手線・京浜東北線の2路線利用で、都心・横浜・埼玉方面へのアクセスも快適。
駅周辺には商業施設や文化施設が揃い、毎日の生活も便利に暮らせます。
文士達が暮らした時代と街の様子は大きく変わったとしても、どことなく自由で落ち着いた雰囲気が当時を感じさせる街です。
田端で文士の旧居跡とともに数多くあるのが坂道。
名のある坂には説明板が設置されており、“そこらの坂とは違うんだ!”という自己主張(?)をしています。
ちなみに田端に住んでいた作家・芥川龍之介は、勾配のキツさや雨の日のぬかるみに難儀したそうで、友人宛にボヤいた手紙を残しています。現在は道も舗装されて急勾配な坂は階段になり、文豪の苦労も過去のモノとなりました。
最近は文士の旧居跡や歴史ある坂道を辿る散策が、知的好奇心旺盛なマダムたちに人気を呼んでいるとか。
駅前にある「田端文士村記念館」では、坂の名前と文士たちの旧居跡を記した散策マップがもらえます。田端散策のお供にぜひどうぞ。
文士の旧居跡と並んで、田端の街の名物的な存在が「東覚寺」にある「赤紙仁王」。
遠目でもひときわ目立つ赤き物体に、しばし言葉を無くしていると、お参りしていた老夫婦がニコニコと解説してくださいました。
「体の悪い所と同じ部分に赤い紙を張ると病気が良くなるって言われてるんだよ。で、直ったらお礼にぞうりを納めるんだ。」
そんな仁王さまを頼りにする方は多いようで、この日もお参りする人が絶え間なく訪れていました。
原型をとどめないほど真っ赤になられた仁王さま…頑張ってください!
※情報は2007年1月時のものです。